
スイスポ(ZC33S)のブレーキキャリパーを耐熱塗料で赤く刷毛塗り!下地磨きから組み付けまで
ADVAN Racing RG-4を履かせてから、スポークの隙間からブレーキキャリパーが丸見えになりました。素材の色そのままで汚れてもいるのでちょっとかっこ悪く、ZESTの耐熱塗料(レッド)を刷毛塗りして赤くしています。前後4輪ぶんを塗って、塗料は100ml瓶の半分ほどしか減っていません。ホイールを替えてキャリパーの汚さが気になっている方向けの作業記録です。
RG-4に替えてブレーキキャリパーの汚れが気になり出した
RG-4を履くと、スポークの隙間からブレーキキャリパーが丸見えです。素材の色そのままという感じで、しかも汚れています。

塗装して冷却に悪影響が出ないかが気になったのでAIに相談してみたのですが、冷却効果やメンテナンス性には問題なさそうとのことでした。耐熱塗料を使って塗れば大丈夫らしいです。
100均のワイヤーブラシに懲りてアストロプロダクツで買い直した
以前、100均のワイヤーブラシを使って何かを掃除していたのですが、すぐにワイヤーが外に広がってしまって使い物にならなかったので、今回はアストロプロダクツでちょっとだけまともそうなのを買ってみました。

リアはワイヤーブラシで磨いてもブレーキダストが落ちきらなかった
ホイールを外したところです。まずはキャリパーの小さなリアからやります。3.5万キロぐらい走行していますし、スポーツ用のブレーキパッドではあるのでダストはそこそこついています。

ジャッキアップしたら、必ずウマ(ジャッキスタンド)をかけます。キャリパーを外すのに結構な力をかけるので、ジャッキだけで潜るのは危ないです。

エマーソン(Emerson) 車用ジャッキスタンド 3t 2...
国内販売で実績のある老舗メーカーのニューレイトン社(日本)が提供している信頼あるブランド、それが「エマーソン」ブランド
キャリパーマウントを外します。ピストン側は10mmのソケット、マウント側は17mmのソケットで外しました。裏側についていてソケットレンチが入りづらい場所なので、以前購入していた長めのメガネレンチを使いました。

トネ(TONE) 超ロングめがねレンチ(ストレート) M05...
素材:金属
サービスマニュアルの図で見ると、外すボルトはこの2種類だけです。まずキャリパピンボルト(1)を外して、リヤブレーキキャリパ(2)をリヤブレーキキャリパキャリア(3)から外します。これが10mmの方です。

次に、ブレーキキャリパボルト(1)を外して、リヤアクスルからリヤブレーキキャリパキャリア(2)を外します。こちらが17mmです。

出典:スズキ スイフトスポーツ(ZC33S)サービスマニュアル「リヤブレーキキャリパ取外し/取付け」
ちなみに、マニュアルの手順ではフレキシブルホースを外してからキャリパを降ろすことになっています。今回はホースを付けたまま吊るして作業したので、ブレーキフルードのエア抜きは不要でした。ただし「フレキシブルホースをねじらないようにすること」と繰り返し書かれているので、吊るす向きには気をつけた方が良さそうです。
茶色いのがブレーキダストです。

これを磨いていきます。

一番硬いステンレスのワイヤーブラシでちょっと磨いてみたところです。多少はきれいになりますが全然きれいにはならない。もともとの素材が凹凸のある素材なので、隙間に鉄粉が入り込んでしまっている感じです。

磨くとブレーキダストの鉄粉が空気中に飛散します。結構軽くて粒子が細かいです。

ピストン側も磨いていきます。新聞紙を挟んでおくと傷防止と汚れ防止に丁度良いです。

磨いて、パーツクリーナーで洗い流してを何回か繰り返しました。パーツクリーナーはこの作業でかなり消費するので、安いものを何本か用意しておくと気兼ねなく使えます。

AZ(エーゼット) PA-002 強力・速乾パーツクリーナー...
有機溶剤中毒予防規則適用外

耐熱塗料は30%希釈の刷毛塗りがちょうどよかった
表面がもともと荒いので、スプレー塗りする必要は無いかなと思い、刷毛塗りです。今回使う耐熱塗料はこちら。

【プロの塗装レクチャー付】プロ仕様の耐熱塗料 レッド 100...
1コート仕様なので、ZEST耐熱専用うすめ液にて20%~40%希釈するだけで、刷毛塗り・吹きつけのどちらも可能です。
耐熱塗料の説明を見ていると刷毛塗りの場合は20〜40%希釈するのが良さそうとのことなので、うすめ液も買いました。

プロ仕様 耐熱塗料 100ml【うすめ液】
1コート仕様なので、ZEST耐熱塗料専用うすめ液で希釈するだけで、刷毛塗り・吹きつけのどちらも可能です。
なくても行けるかなと思いましたが、うすめ液は絶対にあったほうが良いです。塗料の初期乾燥が速いのでどんどん硬化しちゃうのを防げますし、塗料の濃さを調整できます。最終的には30%ぐらい希釈するのがちょうどよかったです。塗る場所や用途によって薄くしたり濃くしたりして利用しました。

刷毛は、100円均一で横1.5cm程度の刷毛を買いました。塗装をする際には紙コップに塗料を出して、うすめ液を入れて、その時に使い切る分量を調合しながら作業しました。
耐熱塗料の説明書です。

細かい部分のマスキングは省略しました。刷毛塗りなのである程度細かい調整はできるので。はみ出たところはパーツクリーナーをウェスに染み込ませて拭き取ればきれいに取れます。
1回目の15分後に2回目を塗り重ねた
気温は25度、湿度70%。1回ラフに塗装してから、15分後ぐらいに表面が少し硬化したくらいで2回目を塗りました。本当は24時間空けたほうが良いのでしょうが、表面の初期硬化は速そうなので、1回目と2回目の塗膜の結合度を上げたいというのもあり、説明書にあるような24時間を開けずにすぐに塗ってしまいました。

見た感じはとてもきれいです。







スライドピンのグリスは純正と同じ量だと戻りが悪くなる
ブレーキキャリパースライドピンもデグリースして、グリスアップします。グリスはワコーズの耐熱シリコンブレーキグリースを使いました。

ワコーズ SSG スーパーシリコーングリース チューブ 耐熱...
種類:単品
グリスを塗る量が絶妙です。おそらく純正でもとから塗られているグリスは柔らかめなのです。なので純正と同じくらいの量をベタっと塗ってしまうとスライドピンの動きが悪くなります。特に、ゴムのカバーが付いている方。脇の部分に空気の抜け道があるので、そこがグリスで塞がらないような量に調整しておく必要があり、何度か装着して適度な戻り具合になるようにしました。

スライドピンは組み付ける向きが決まっている
スライドピンは2本で1組ですが、ゴムブッシュが付いている方と付いていない方があり、組み付ける位置が決まっています。適当に左右を入れ替えて組んでしまうと、動きが変わってしまう部分です。

図の1がゴムブッシュ無、2がゴムブッシュ付、3がゴムブッシュ部です。[A]が13インチ仕様、[B]が14インチ仕様と16インチ仕様なので、ZC33Sは[B]の方になります。
フロントは、ピンブーツを付けたスライドピンをキャリア部(5)に組み付けます。3の“A”がグリスの塗布箇所です。ゴムブッシュ無のピンがキャリパの上側になるように取り付けます。

リアは、まず新品のピンブーツ(1)の内周にグリスを塗ってから、図の向きでリヤブレーキキャリパキャリア(2)に取り付けます。

グリスを塗るのはスライドピンのこの範囲です。全体にベタベタ塗るわけではありません。

そしてリアは、ゴムブッシュ無(1)が車両後方、ゴムブッシュ付(2)が車両前方になるように組み付けます。図の[A]が車両後方です。

出典:スズキ スイフトスポーツ(ZC33S)サービスマニュアル「フロントブレーキキャリパ分解/組立て」「リヤブレーキキャリパ分解/組立て」
前後を入れ違えても、手で動かした感触では分からないと思います。すぐに効かなくなるような話ではないものの、鳴きや偏摩耗、引きずりといった形でじわじわ出てくるらしいです。マニュアルでもスライドピンの摺動不良は、異音・引きずり・片効き・効きが不十分の被疑箇所として挙がっています。外す前にマスキングテープでマーキングしておくのが確実ですね。
フロントはダストブーツの破れとパッド残り4mmが見つかった
写真だときれいに見えますが、結構ブレーキダストで汚いです。


フロントも外す順番はリアと同じです。キャリパピンボルト(1)を外して、シリンダ部(2)をキャリア部(3)から抜きます。

続いて、ブレーキキャリパボルト(1)を外して、ステアリングナックル(3)からキャリア部(2)を外します。

出典:スズキ スイフトスポーツ(ZC33S)サービスマニュアル「フロントブレーキキャリパ取外し/取付け」
フロントの方が熱が入るので少し入念にチェックしていると、ピストンダストブーツに若干の破れがありました。交換しないとだな。。。サービスマニュアルの「フロントブレーキキャリパ点検」でも、シリンダブーツに破れやひび割れがある場合は交換と書かれている箇所です。

パッドはあと4mmくらいは残ってる。スポーツ走行をしなければ全然減らないなぁ。。。
サービスマニュアルによると、パッドライニングの厚さは限度値が前後とも1.5mmです。新品時の基準値はフロントが10mm、リアが9mm(いずれも純正パッドの値)なので、4mm残っていればまだしばらくは使えます。


リアと同じようにフロントもワイヤーブラシで掃除しました。ここで疑問に思ったのですが、ミッチャクロンのようなプライマーが必要ではないのかなと思ってAIに聞いてみたら、この耐熱塗料は不要とのことでした。足付けをしなくてももともと表面に凹凸があるから大丈夫、というのもあるかもしれません。

染めQ プライマー スプレー ミッチャクロン マルチ 420...
【ミッチャクロンマルチ】金属から樹脂まで、幅広い素材に対応(PPにも対応)あらゆる上塗りが可能なマルチプライマー。
ちなみに、ミッチャクロン自体は他の塗装で何度も使っているので手元にはあります。今回は使わずに済ませました。
フロントキャリパーは延長コードで吊るして塗装した
リアは、ブレーキディスクにキャリパーを乗せて置けるけど、フロントは横についているので乗せておけません。S字フックが理想ではありますが、用意するのが面倒なのでゴミ捨て場にあった延長コードを切ってぶら下げました。自分の好きな長さに調整できるので重宝しました。

支えている紐があるので、すべてを1回できれいに塗れません。塗れるところだけ塗って、残りは装着してからレタッチする感じにします。

マウント側も塗装します。

ちなみに、この塗装後のマウントを油汚れが少しでも付いた手袋で触ると、汚れがキャリパー側に移ってしまって黒ずみます。かといって、それをデグリーサーをかけて汚れを取ろうとすると塗料まで取れてしまいます。完全硬化まで時間がかかるので、汚れがついたら完全硬化まで待ってから掃除しないといけません。なので、汚さないのが一番です。
組み付けは85N・m、トルクレンチが入らずステアリングを目一杯切った
フロントもスライドピンをデグリース、グリスアップして組付け。ブレーキピストン、ブレーキパッドが当たるところに、一通りワコーズの耐熱グリスを塗りました。
マウント側はフロントが85N・mです。手持ちのトルクレンチは差込角9.5mmのSDT3-060で、測定範囲が3〜60N・mなので85N・mは範囲外でした。

SK11(エスケー11) デジタルトルクレンチ 差込角 9....
用途:バイクなどのタイヤ交換や、ボルト・ナットの締付けトルク値の測定作業
仕方がないので、ホイールナット用に使っている差込角12.7mmの方で締め付けました。20〜140N・mのレンジがあるので、キャリパーまわりの85N・mもホイールナットの100N・mも、こちら1本でカバーできます。

SK11(エスケー11) プレセット型トルクレンチ 差込角1...
特徴:両回転対応型で右ネジ・左ネジのトルク測定が可能
タイヤハウス内に入り切らないので、ステアリングを目一杯切ってやりました。

締め付けトルク一覧:マウント側はフロント85N・m・リア60N・m
締め付けトルクとソケットのサイズをまとめておきます。トルク値はサービスマニュアルの締付トルク一覧表の値です。カッコ内は、マニュアル上の正式な部品名です。
| 締結箇所 | ソケット | フロント | リア |
|---|---|---|---|
| スライドピンボルト(キャリパピンボルト) | 10mm | 26N・m | 26N・m |
| キャリパーマウント(ブレーキキャリパボルト) | 17mm | 85N・m | 60N・m |
| ホイールナット | 19mm | 100N・m | 100N・m |
同じマウント側でもフロントとリアで25N・m違うので、前後を同じ値で締めないように注意してください。スライドピンボルトは前後どちらも26N・mです。ホイールナットのトルクについては別の記事にまとめています。
構成図で見るキャリパピンボルトとキャリパボルトの位置
どのボルトがどれなのかは、構成図を見るのが一番早いです。フロントは16インチ仕様のものです。


出典:スズキ スイフトスポーツ(ZC33S)サービスマニュアル「フロントブレーキ構成図」「リヤブレーキ構成図」
この構成図には、左右どちら側かの指定がありません。マニュアル上もフロント・リアで1枚ずつしかなく、区分けされているのはホイールサイズ(13インチ/14・16インチ)と駆動方式だけです。つまり左右共通の図なので、部品の並びも締め付けトルクもそのまま両側に当てはまります。向きの指定だけは「キャリパの上側」「車両前方・後方」という車両基準の書き方になっているので、こちらも左右どちらの作業でも同じように読めます。
構成図のスライドピンは、ゴムブッシュの有無で品番が分かれています。ゴムブッシュ付きの方が、グリスを盛りすぎると戻りが悪くなるピンです。マニュアルにも「同梱のグリースをスライドピンに塗布する」とだけ書かれていて量の指定はないので、ここは現物合わせでやるしかなさそうです。
構成図の注油マークと記号の読み方
構成図には見慣れない記号がいくつも付いています。意味は以下の通りです。

グリスガンの形をした注油マークが付いている部品は、組み付けるときにグリスを塗る箇所です。ブレーキキャリパまわりで注油マークが付いていたのは、次の部品でした。
- フロント:スライドピン(ゴムブッシュ付・ゴムブッシュ無)、ブレーキピストン、ピストンシール
- リア:ピンブーツ、スライドピン(ゴムブッシュ付・ゴムブッシュ無)、ブレーキピストン、ピストンブーツ、ピストンシール
リアの方が注油指定は多いです。しかもピンブーツだけは「塗布する」ではなく「同梱のグリースをピンブーツ内部に充填する」という書き方で、表面に塗るだけでは足りないことになっています。
注油マークの中に(A)が入っているものは、グリスの銘柄まで指定されているという意味です。フロント構成図だと、フロントホイールハブアッシとドライブシャフトの合わせ面に塗る99000-25011がこれにあたります。キャリパまわりの注油マークは(A)なしなので、キャリパに同梱されているグリスを使え、ということですね。
スパナのマークに付いている(a)〜(e)は締め付けトルクの記号です。ここが少し厄介で、同じ(a)でもフロントとリアで指す値が違います。
| 記号 | フロント | リア |
|---|---|---|
| (a) | 16N・m(ブレーキパイプフレアナット) | 26N・m(キャリパピンボルト) |
| (b) | 26N・m(キャリパピンボルト) | 60N・m(ブレーキキャリパボルト) |
| (c) | 8.3N・m(ブリーダプラグ) | 8.3N・m(ブリーダプラグ) |
| (d) | 23N・m(フレキシブルホースジョイントボルト) | 23N・m(フレキシブルホースジョイントボルト) |
| (e) | 85N・m(ブレーキキャリパボルト) | 77N・m(ホイールハブアッシ取付ボルト) |
組付け後の写真です。





最後に、ブレーキディスクをパーツクリーナーで一通り掃除します。知らない間にディスクに油脂がついて汚れている可能性があるので掃除しておきます。

塗料は半分残り、100mlで2台ぶんは塗れそう
溶剤の残りはこんな感じです。塗料は半分ぐらい残ってる。この瓶で2台分は塗装できるって感じですね。

ホイールを取り付けて、周辺をテスト走行。ちゃんと制動するか、引きずりがないかなどを確認しました。


余った塗料で、リアの牽引フックも塗装しました。

まとめ:ブレーキキャリパーの塗装で隙間から見える汚さは解消した
- 前後4輪ぶんを塗って、耐熱塗料100mlの半分ほどしか使いませんでした。うすめ液も同じくらい残っています。
- 手間がかかったのは塗装そのものではなく、ワイヤーブラシでの下地磨きの方でした。凹凸の隙間に入り込んだ鉄粉は、正直に書くと最後まで完全には落ちていません。
- 耐久性については、まだ何も言えません。熱が入るフロントがどのくらいで退色するのかは、しばらく乗ってから追記しようと思います。
- 見つかってしまったピストンダストブーツの破れは、そのうち交換します。。。
あわせて読みたい
関連記事
「カスタム」の人気記事





